創業者サルヴァトーレ・フェラガモは1898年イタリア生まれ。

貧しい農家の大家族に生まれた彼は幼いころから靴作りを学び、わずか9歳で妹の靴を作り、11歳で自宅にて靴屋を開いたという。

アメリカのブーツ工場で働く兄を頼って15歳で渡米すると、数年後カリフォルニアにオーダーメイド靴の店を開いた。 サルバトーレ・フェラガモは南カリフォルニア大学で人体解剖学を学んだ。足が痛くならない、履き心地の良い靴を作るためだった。そこで彼は「土踏まず」に歩く際の全体重がかかることを発見すると、靴作りに生かすべく画期的な靴型を生み出し特許を取得した。

サルバトーレの作る靴は「足に完璧にフィットする」とたちまち評判になり、訪れる客のなかには映画関係者などもおりハリウッド黄金期に活躍した数々の名優たちが彼の作る靴を求めた。

そして1923年にはハリウッドに「ハリウッドブーツショップ」を開店。
彼の作る数々の靴はハリウッド映画の衣装としても使われ、注目を浴びる。 サルバトーレは「スターの靴職人」と呼ばれ、マリリン・モンローやイングリッド・バーグマン、ソフィア・ローレンをはじめ、多くの著名人を虜にしてやまなかった。

1927年、イタリアに戻ったサルバトーレはフィレンツェに自らの靴工房「サルヴァトーレ フェラガモ（Salvatore Ferragamo）」を創業すると、オリジナルシューズ「サンダル」を発表する。

1929年世界大恐慌が起きると、サルバトーレ・フェラガモもそのあおりを受け、1933年に倒産。

失意のサルバトーレを救ったのは、ハリウッド時代の顧客と上流階級の顧客たちだった。

1938年フィレンツェの歴史的建造物であるスピーニ・フェローニ宮殿に工房と店舗を開くまでに復活すると、 皮革や金具など靴の材料が手に入らない第二次世界大戦中、サルバトーレはチャンスとばかりに新しい素材のセロファンやコルクを試し、ウエッジサンダルなど様々な新しいシューズを生み出す。

1947年、透明なナイロン糸で作られた「見えない靴」は革命的とも言われ、ファッション界のオスカーとも呼ばれる「ニーマン・マーカス賞」を受賞した。

数々の危機を乗り越え、フェラガモ（Ferragamo）はイタリアを代表するブランドとして世界にその名を知られるところとなった。

1960年、サルバトーレ・フェラガモがこの世を去るとフェラガモ（Ferragamo）は彼の「頭のてっぺんからつま先までフェラガモで装う」という想いとともに、妻と子供たちに引き継がれる。

1965年、長女フィアンマがハンドバッグ・コレクションを、次女ジョバンナがウエア・コレクションを手掛け、発表。1967年、フィアンマも「ニーマン・マーカス賞」を受賞する。

その後もメンズライン、フレグランスなどフェラガモ（Ferragamo）はサルバトーレの想いを受け、トータルファッションブランドとして展開。

2000年秋冬からは過去にエルメスなどのデザインを担当したマーク・オディベがレディースのデザイナーに、2003年春夏からはアルマーニからグレエム・ブラックがデザイナーに就任、そのほかクリスティーナ・オルティス、マッシミリアーノ・ジョルネッティなど、有名ブランドで活躍したデザイナーを迎え、今や世界を代表するトータルファッションブランドとして成長し続けるフェラガモ（Ferragamo）。

しかし、「履きやすい靴」にこだわり抜いたサルヴァトーレの想いは、時代を超え今もコレクションに受け継がれている。

サルバトーレフェラガモ（SalvatoreFerragamo）
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